勝間 和代 × 西川 りゅうじん 【知っ得健康対談】

写真:勝間和代 × 西川 りゅうじん 【知っ得健康対談】

経済評論家 勝間和代氏
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健康寿命をのばそう運動主宰 西川りゅうじん氏

コロナで変化する日本人の住まい方
~住む場所であなたの人生が決まる~

勝間流の働き方に世の中がシフト

西川:勝間さんはYouTubeで「住む場所で人生は決まる」という動画を配信していますが、コロナの感染拡大で働き方が変わって、住む場所を考え直す人も少なくありませんね。

勝間:コロナは私たちの生き方を大きく変えましたが、住まい方を見直すきっかけにもなりました。住む場所で私たちの人生はほとんど決まってしまうと言っても過言ではありません。

西川:たしかに環境で生き方は大きく変わりますね。
コロナで在宅勤務が当たり前になりました。

勝間:それまで当たり前だった通勤や対面サービスが不要な場合が多いことに世の中が気づき始めました。仕事の本質は付加価値の提供です。今まではインプットで評価される傾向がありましたが、評価がアウトプットベースになった最初の1年になったと思います。

西川:なるほど、長時間労働や足で稼ぐのが美徳という価値観から、バリューという尺度で、人・モノ・金・情報、そして、時間が再構成されているようですね。勝間さんの仕事や生活に変化はありましたか?

勝間:私の会社は10年以上前から基本的にリモートワークで、社員全員が顔を合わせるのは月に1回程度でした。私たちの働き方に大きな変化はなく、私たちの働き方が標準になってきたと感じています。

豊かな自然と都会の利便性を両立する住まい方

西川:世間が勝間さんに追い付いてきたということですね。10年以上前から千葉の房総でワーケーション(ワーク仕事+バケーション休暇)しているとも聞きますが。

勝間:緑が少なく、騒音や粉塵が多い東京で一生暮らすのは健康に悪そうなので、自然が豊かな場所で暮らしたい。でも、都会の利便性も捨てがたいので、拠点を東京と千葉に持って行ったり来たりするのがよいだろうという発想からです。

西川:いち早く二地域居住を実践してきたわけですね。ワーケーションを政府も推奨していますが、実際にできている人はまだ少数でしょう。

勝間:東京にマンションを所有したまま、軽井沢や河口湖に別荘を持ったり、移住する人が増えてきました。徐々に一部の特別な人たちの働き方ではなくなってくると思います。

西川:人々が住みたいと思う条件の重心が、都会的な利便性から自然の豊かさにシフトしつつあると感じます。

勝間:そうですね。タワーマンションの最上階に住みたい人は減ってくるかもしれません。

西川:住みやすさで注目を集めたり、人口が増えそうなエリアはどんなところでしょうか?

勝間:内陸よりは海に面しているところでしょう。温暖な気候で、なおかつ都会へのアクセスが良い場所が有利だと思います。

西川:あざみ野のある横浜市は海に面した大都市で利便性が高く、豊かな自然も残っています。実際、東京都からの移住者が増えているように神奈川県には追い風ですね。

勝間:結局は人です。いい人が集まるところにいい人が集まる好循環が生まれます。いかに生産性や知的好奇心がある人を呼び込めるかがカギです。

オンライン交流のきっかけを創ろう!

西川:住まいのあり方も変わりますね。

勝間:都会の住宅は住人が日中に会社や学校に行っていることを前提とした造りと広さです。在宅勤務には家庭内の物理的スペースが足りず、密になりすぎていることもよくあるでしょう。

西川:「つくばエクスプレス」の開業時に沿線のまちづくりに携わった際に地域の魅力を「とかいなか」と表しました。居住スペースの問題解決のために首都圏の「とかいなか」への移住が進みそうですね。
ところで、勝間さんはコロナで社会が悪くなったこと、良くなったことは何だと思いますか?

勝間:悪いことは、やはり、人との交流が激減したことです。オンライン交流に慣れていない人は寂しいみたいですね。良かったことは、人と会わずに快適に過ごせる方法を多くの人が考え始めたことだと思います。皆さんがどのように人間関係の再構築をしていくのかに興味があります。

西川:コロナで孤独にさいなまれる人が少なくありませんが、人に会えない寂しさはどうやって解消すればいいでしょうか。

勝間:月並みですがオンラインの交流を国や地域をあげて推奨していくことでしょう。不特定多数が集まれるZoomやVRチャットのような環境をもっと作っていくといいと思います。

西川:年配の人も孫や若い人に教えてもらうと意外にハマります。

勝間:社会がますますデジタルへとシフトしていきますから、年配の方々も趣味を通じてオンライン交流のきっかけを作ると楽しく始められるでしょう。

西川:ウィズコロナの世の中で、勝間さんがこれからやってみたいことは?

勝間:YouTubeなど自宅でできる仕事に力を入れていきたいです。皆さんももっと自宅中心でいいのではないかと思います。

西川:勝間さんのいう通り、自宅を中心に生活を再構築していく時代ですね。前向きに、住む場所、住まい方、生き方をあらためて考え直す機会にしたいと思いました。ありがとうございました。


勝間和代氏プロフィール

写真:勝間和代氏

経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。早稲田大学ファイナンスMBA、慶応大学商学部卒業。当時最年少の19 歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、株式会社監査と分析取締役、国土交通省社会資本整備審議会委員として活躍中。無料メルマガ4万7000 部。著作多数、著作累計発行部数は500万部を超える。